遊びまっくす

遊びは知能、運動能力、コミュニケーション力など、あらゆる才能をバランスよく育みます。3000人以上の子どもとの関わり、子育て15年以上の経験をもとに、人気の遊びやおもちゃ、子育て情報等をご紹介していきます。

絵本の7つの効果と絵本を好きになる秘訣

 テレビをつけていれば、子どもが夢中になって見て過ごせますし、園で定期的に本をもらったり、こどもチャレンジのように、本が毎月送られてきたりして、わざわざ他の絵本を読まなくても、と思うかもしれません。でも、魅力的な絵本は本当にたくさんありますし、絵本を読むことで、得られる効果はすごく多いです。

 

大学時代、絵本についての研究発表を聴講したり、保育士になってから、読み聞かせの講座を受講し、人気の本を様々な方法で調べています。
たくさんの子ども達や自分の子どもに読み聞かせをしてきた中で、得た知識や実感した絵本の効果を、あげてみたいと思います。

 

 

 

絵本の7つの効果  

では、順番に、具体的にどのような力が育つのか、あげていきます。


世界が広がる

森の中の動物たちのおはなし、王様のおはなし、一人でお留守番をしている女の子のおはなし、冒険に出かける男の子のおはなし……絵本の中には、自分では全く体験したことのない世界が描かれています。絵本の中で擬似体験をして、世界が広がっていくのです。

 
色々な感情を知ったり、共感したりして、思いやりの心が育まれる

 主人公が失敗してしまったり、困難を乗り越えたりしてゆく姿に、自分も共感し、励まされていることもあるでしょう。(『おしっこちょっぴりもれたろう』もそうかもしれませんね(^_^))
また、自分が味わったことがない気持ちを知ることで、思いやりも育まれます。(たとえば『泣いた赤おに』を読んで、オニも悲しい気持ちになっているんだな、と思いやる気持ちを持つ子も)
「豆を投げて追い出していたけど、かわいそうになっちゃったな」など、こちらの気持ちを伝えても良いですが、感想を強要したり、無理に何か言わなくても、心の中に、何か感情が芽生えているでしょう。その積み重ねが、感性を育んでいくのです。

 


絵と言葉が描かれているので、言葉の意味がわかりやすい

 たとえば、ももたろうの絵本では、「川をどんぶらこどんぶらこと桃が流れてきました。」というページには、川と桃が印象的に描かれています。たくさんの情報がいっぺんに映し出されるテレビなどよりも、物事と言葉が連動していて、言葉の意味がわかりやすいです。


くりかえし読むことで、文を覚えていき、自然に言葉を覚え、語彙力が増える

 気に入った本は、何度も「読んで」と言われて、読んでいるうちに、だんだんと大人が読まなくても、そのページを開くだけで、ソラで絵本の文を言うようになります。自分で読んでみたくて、一生懸命、かいてある字をおって読むようにもなります。
ただし、読みながら「この字は何?」とか、読み終えたあとに「どんなお話だった?」と勉強のようにする必要はないのです。楽しくて、自分から何度も読みたくなって、くり返し読む、自発性が大切なのです。
わが家は、大きくなるにつれ、だんだんと長いお話の本を読み聞かせるようになり、子どもが字を読む力もついてきて、私が読み聞かせるよりも、もう自分で読んだ方が早い!と思ったようで、自分でたくさんの本を読むようになりました。

 

描かれている絵の細かい部分も見て、絵に親しみ、楽しめる

 大勢の読み聞かせなどでは、どんどん絵本を読み進めてしまいますが、家でゆっくり楽しむ場合は、子どもが好きなページをじっくり眺めることができます。大人が気づいていないような細かな部分も、子どもは意外と見ています。(たとえば『からすのパン屋さん』などは、見開き1ページにたくさんの面白いパンが描かれていて、そのページをずっと眺めている子がたくさんいます。)
眺めているだけで楽しいですし、絵を描くのが好きな子は、その絵を真似して描く子もいます。絵から、色々な知識やアイディアを身につけています。

 

表現力を育む

 リトミックの教室でも、毎回のように絵本を読んでいます。
たとえば、主人公がスケートをすべる絵本を読んだあとに、スケートを滑る動きの表現をすると、スケートをやった事がない子でも、気持ちよくスーイスーイと滑ったり、すってんころりんと転んでしまう動きなど、やったことがあるかのように、のびのびと表現しているのです。

保育園や幼稚園で、絵本が原作の劇の発表会をする時には、絵本を読んで、絵本の世界にひたることで、役になりきれるのです。

 

アニメと違って、描かれていない部分も多いので、想像力を育む

絵本では、お話の中の印象的な場面が描かれていて、場面と場面の間の動きやセリフが、全て表現されているわけではありません。その描かれていない部分を、自分の頭の中で思い描くことで、想像力がふくらんでいきます。だんだんと本に慣れていくことで、少しの挿し絵でも場面を想像して楽しむことができるようになり、全く絵のない本も、自分の頭の中で想像して読みすすめていくことができるようになります。

 

暗い中、目を近づけて読んで、目を悪くしてしまうことさえ気をつければ、他にデメリットは全くなく、子どもにとって、良いことばかりです。

 

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絵本を好きになる秘訣

 

絵本には全く興味も持ってくれない、というお子さんもいるかもしれません。
でも、人気の本は、絵本自体に子どもを惹きつける魅力があります。

その時に流行っている絵本も良いですが、ロングセラーの絵本、シリーズで出ている絵本は、多くのお子さんが楽しんでいるように思います。
目に見えるところに置いておいたり、大人の方が楽しんで読んでいると、子どもも寄ってきます。まずは、大人が楽しむことです。


日々忙しく過ごす中で、読みきかせる時間をとるのは大変ですし、夜寝かしつけの時に読もうと思っても、大人の方が先に眠くなってしまったり(^^;)

でも、プロの方が上手に読む声よりも、身近な人の声が、一番子どもの耳に届くのです。

また、好きな絵本は、手元において、くりかえし読むことで、より絵本から受け取るものは多いですし、子どもの中に、あたたかい思い出として心に残っていきます。

なによりも、面白い場面に一緒にゲラゲラ笑ったり、あたたかい物語に、ほっこりした気持ちを共感したりして、親子で素敵な時間を過ごせます♪